秘瀑巡礼・・・大峰岩屋谷より

岩屋谷雄滝より(2007.07.01)

大峰山脈の東、白川又川の支流に岩屋谷があります。そこには上流の自然林の湧き水を集め深い谷が穿たれて大きな滝が3本懸かっております。
奈良の滝を200滝歩かれたデジマンさんとこの谷の盟主岩屋谷雄滝(130m)を訪問しました。ここは以前訪れた雌滝(70m)の直ぐ上流です。下流にも40m無名滝があり幽邃峡と言えるでしょう。

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雄滝 F9 1/5S 20mm (+0.3EV)
その大きさはWEBでは伝わらないかもしれません。大判カメラあるいは、1200万画素以上のPRO機で挑んで欲しい滝です。

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28mm F14 1/4S +0.7EV

この滝の素晴らしい点は、大きさだけでなく分流の美しさも特質としてあげることが出来ます。

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絹糸を垂らすような細やかさと大滝のスケール感が見事に調和されていると感じました。

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谷の深さも半端ではなく一応沢登りでは中の上だそうです。

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この滝の直ぐ下が雌滝ですが、上がって来るまでに少し時間が掛かるようです。発達したの為簡単には進めないようですね。

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【撮影後所感】
去年目指して撮影が出来なかった雄滝を一応撮影できたので大満足でした。被写体としても素晴らしく、晴天でも曇天でもそれぞれの条件で楽しむことが出来ます。130mもの大滝でありますが、幅も下部は30m以上有り堂々とした美滝です。出来ればビューカメラなどであおりを調整して撮りたかったですね。

リンク先のデジマンさんにとっても記念すべき200滝目となられたようです。神様が後押しされたのか、迷わず一発で雄滝に到着しました。
とにかく麓からのUP/DOWNはかなり厳しいものがありトータルで1200m分ほどの登りになったと思います。
ルンゼからの降りは雄滝の方が若干近くて安心できました。雌滝は、更に70m下で、そのルート上には梅雨時の湿った腐葉土がガレ場や露岩に覆いかぶさり滑り易い急斜面とあいまって危険な感じがしました。その理由により今年は雌滝はパスしました。
ヘルメットやロープは必要な箇所かもという場面もあり通行には万全を期すべき場所と思いました。
雌滝から雄滝へは高巻ルートがあり、右岸のルンゼから巻いているようです。

【管理人が滝を撮る理由】
それは至って単純です。見たい滝があるからです。
しかし見たい滝の多くが到達困難な山中にあります。
そしてそういう場所は、自然のままに荒々しく、時に美しいのです。

しかしもっと大切なことがあります。人里離れた場所に行くほど本来人間が持っている自然性、身体性が研ぎ澄まされ単に写真を撮る以上の何かを再発見することがあります。
人間社会が自然性、身体性を忘れていく時、変化に対する柔軟性を失い脆くなっていきます。
管理人が単に写真枚数を稼ぎ、小手先で自然を切取るだけならもっと効率の良い場所が他に幾らでもあります。しかし自分の発見をロケ地ガイドブックなどに頼り、GPSに頼る時、身体性は衰えます。
私にとってそれが結果的にどんなに美しい写真であっても、身体性を大切にせず、自然を皮膚感覚を通して受け止めていなかったらそれはなんら意味がないのです。
秘境的な滝巡りは、ちっとも華やかではなく常にドロだらけで、危険と後悔に満ちています。
しかし、それは意外性と無数の分岐性があり、私は常にその変化の中で命を復活再生することが出来るのです。
よってそこでは滝を撮る行為以上の何か普遍的な発見がある可能性があります。

【デジマンさんとのツアー】 
過去のツアーを振り返ると、やはり管理人は良きパートナーに恵まれていたという結論に達します。
唯一目的地に達せ無かったのは今まで2006年夏の洞門ノ滝(ルート間違い)のみでそれ以外は幸い怪我も病気も無く楽しく滝巡りが出来ております。
滝パートナー・デジマンさんと初めて行った滝が摺子谷(2005年11月)でした。以来、二桁以上の回数で滝巡りにご同行頂いております。
企画やルート決めは双方が出し合う形で、滝巡りの幅も広がっているように思います。不思議なもので、個人単独よりも目的地を失敗する可能性が断然低くなりましたし、途中の会話で疲れもだいぶ和らぐようです。安全面という点でも協力し合うことは大変意味のあることだと思います。2006年秋の、中ノ又大滝などは、とても意外性のある発見でした。とても感謝しております。

ところで滝巡りには3つの要素が絡みます。

1)ルートファインディング…大抵道の不明瞭な踏み後を探したり、岩を乗り越えるので正確なルート予想、読みは大切です。

2)沢歩きでの補助ワーク…危険箇所をロープなどでクリアする為に最低限の川床の安全な歩き方、斜面の登り方についてのトレーニングが要ります。

3)自然を楽しむ心…時期や天候、季節の花や植物など広く自然を理解し楽しむユトリが大切です。風景写真を撮ったり、風景絵に描いてみたり、珈琲を作ったり…野外ライフを大切にすることが長続きのこつのような気がします。実はこれが一番大切な要素だったりします。


管理人も色々な被写体テーマの写真ライフの中でとりわけ滝を楽しんで写真を撮っております。現在滝がメインのテーマとなっているのは、水辺が好きという理由と、たまたま滝の多い大峰大台が比較的近いせいもあります。
管理人は北海道に住んでいたらたぶん湿原や湖を撮っていたんじゃないかなと思います。沖縄ならもちろん海と珊瑚の海中写真ですね。

【ルンゼか稜線か、滝への降り考】
大峰の場合、稜線ルートは大抵喬木や石楠花のブッシュはたまた岩のギャップがあり降りに適さない場合が多いです。
そこで邪魔な木が無いルンゼや枯谷がありがたいのですが、岩に枯葉が積もっていたり、ガレ場があったりで案外歩きにくかったりします。
そこで降りではロープを旨く使って懸垂下降し、登り返しでもこれを利用しない手はないです。
ロープを使った登高ですが、a.アセンダー(登高器)やタイブロックを使用、b.プルージック結びを利用、c.その他の方法があると思います。

a.は全うな方法なのですがロープを痛めますしロープのテンションが旨く掛らないと引っかかります。b.は慣れた人でないと扱いが難しいような気がします。
管理人は、c.でシャントと言われるものを使用します。これは登高器ではありませんが、体とロープを固定し、両手がロープから離れても落ちない仕組みに利用できます。滝メグラならめったに60度を越える斜面を降りることはないですので急斜面の昇降に便利だと思います。
実際には、ハーネス、ロック付カラビナ2個、確保器(8環、ATCなど)なども併用します。
両手がフリーに出来るのは大変ありがたく、不意のスズメ蜂の来襲や、トラブルでも落ち着いて処理できる余裕が生まれます。また懸垂下降では、腕の力に頼らず途中停止できるので安心できますよ。

懸垂途中でのカメラ撮影?うむむ、一眼レフ以上だとお勧めできませんが理論的に可能です(汗)。コンパクト機でもちゃんと紐で体や腕ににしっかり結び付けてないと下部にいる人への突然の金属落下物になったりしますので危険です。因みにクライミングギアの落下、カメラ道具の落下はご法度というか絶対在ってはならないことなので必ず落ちない方法を採りましょう。
これが上手に出来れば立派な山岳フォトグラファ~!と言う訳ではありませんが(笑)、安全で快適な滝探りも大切ですね。
---

お奨め度:☆☆☆☆☆\(^^)/(文句はありません、奈良県下ではTOP級)
危険度: ☆☆☆☆★(まあ沢4級ですから)

ヒル:水尻からの登りと雄滝への降りで2~3匹だけ居ました。肩の上に載ってきましたが払いのけました。この程度なら慣れればそんなに慌てることはないです。


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RE:こんばんは!

tatsuoさん!
おはようございます!相互リンクの件喜んでさせて頂きます(^^
書きなぐりのmyブログですが、今後とも宜しくお願いいたしますね。
tatsuoさんの滝巡りへの姿勢にとても共感できます!

こんばんは!

先程リンクさせて頂きましたのでご了承の程よろしくお願い致します。
出来ましたら相互リンクお願いしたいのですが・・

RE:返信どうもです!

YHさん!
カテドラル喜んで頂けて嬉しく思います。そして行動力凄いですね。
管理人は本来は高度恐怖症(笑)なので、かなりビビりまくりしてます。10箇所ですが、一片に無理なので秋ぐらいからぼちぼち始めたいと思うこの頃です。
YHさんの写真発表などの機会があれば是非参加させてくださいね。

返信どうもです!

初めに、パソコンの濁点のキーが先ほど三つ壊れてしまい寿命のようで文字が出ないので明日買いに行きまーす。書きたい文字が出ないため書き込みがお見苦しくてすみません!ふぇるめーるさんおかげさまでたどり着くとが出来ました~!まだ10カ所もあるのですか~!わーい!また紹介していただけますか◎
水に浸かれるこの季節に気を付けてがん○って行きますのでよろしくお願いします!
○の文字がでません(涙)

RE:雨上がり曇りのち

YHさん!

良く滑る川床を越えて無事辿りつけて何よりです。おめでとうございます。
水量が多くて側滝が発生していたようですね。この側滝はアメ止滝の手前と桶側滝の手前など3箇所くらいでしょうか。

大峰にはこのような奇勝があと10箇所程あり、管理人が安全に行ける範囲のものをここでも徐々に紹介したいと思っております。
機材が重いとバランスを取るのが難しいですよね。重い三脚で引っ張られてしかも岩に引っかかったりで大変だったとお察しいたします。この上流は本とに厳しい場所ですが、四季折々ディープな大峰が楽しめますので大変気入にっております。
次回晴れると言いですね。管理人も秋ぐらいに再訪したくなりました(^^

雨上がり曇りのち雨のカテドラル

ふぇるめーるさんこんばんは!昨日続く梅雨空にしびれをきらし曇りでもいいや、でカテドラルへ行って来ました。水量はかなり多く最初の入り口の右の斜めの岩盤は滑りやすく歩けず腰ちょいまで浸かりました(きゃー冷たい・汗)あそこは水量が多いと難関ですね。それから魚止めの滝まで行きました。ここも水量充分。真名井の滝は魚止めの滝の手前の左の滝でしょうか?水量は結構ありました。そこから巻いて滝上に出ましたがここを対岸に渡るのも怖かった(涙)落ちたら水路を流されプールにドボン?どこかの滝の白泡で沸きかえる釜で溺死した人の話を思い出してビクビク。ここ普段釣りやさんくらいしか入らないもんね。怖かったのは2カ所でやはり私たちは機材が重いのと三脚が他の方たちより気を遣うとこで邪魔になりますね。さて地獄門に到達ここでも腰ちょい上まで浸かり寒~い!ザックが浸かりそう。カテドラルは曇りの為ふぇるめーるさんのような綺麗なエメラルドグリーンではなかったですが感動でした◎帰りは雨があたりダッシュ!曇りの日や雨上がりは水量多いし岩はツルツルやっぱり危ないですね。ずっと雨模様のようなので今度こそ晴れた日に行って光差し込む白亜とエメラルドグリーンのカテドラルを見に行きたいと思います◎ふぇるめーるさんのおかげです感謝です♪

RE:細やかな情報感謝です~!

YHさん!
今回の岩屋谷滝ツアーは私たちの予想以上の反響があったようですね。今後関東のメグラーさんの方たちや他の地域の方も照会が出てこられると思います。安全面では雄滝ですが、水の補給が稜線では出来ず、霧が出た時迷い易い道ですので、十分な対策はなさってください。懐中電灯、非常食は必要ですし、中間地点に水をデポッておくこともありかもしれません。雌滝への降りはかなりの無理が予想されましたので、これの為に管理人は沢靴を新調し、フリークライミングや沢登教本を読み漁りました。もしも雌滝まで行かれるのであれば、何らかの協力はさせていただきます。
デジマンさんもまだ雌滝には行かれてないですし、今すぐは無理ですが管理人も機会があればもう少し写真は落ち着いて撮りたいと希望しています。
なんせ、去年秋の雌滝では転倒で手を怪我しましたので生還できることを最優先しました。怪我出血ぐらいはまだ良いですが、骨関係に及ぶとルンゼの登り返しは二人でもまず難しいでしょう。
天候、時期、時間帯、水量の予想が大切ですし、本格的沢のコースの一部ですので計画は思い切り練ってくださいませ。それも楽しみです。
管理人もどう降りるか半年悩みました(笑)

細やかな情報感謝です~!

ふぇるめーるさん!細やかな情報ありがとうございます~!岩屋谷は双門と同じで私にとってはとても敷居が高いですが励まし合いながら行けるといいなぁと思います。今し方カクレ滝がふぇるめーるさんの返信の書き込み送といてーと仕事帰りに電話が(おーいブログ見たらいいじゃない・笑)それにしてもきつそう、でなくきつい~(汗)ですね。すべって転ばないようにしないと(この前十津川で滑って肩にかけていたレンズで左胸打ちました・涙)
水に浸かるならカテドラルは沢靴ですね~。
がんばろうーです◎
ふぇるめーるさん私に刺激とやる気を頂くまたすごい滝行って来てくださいね!

RE:お疲れさま~◎

YHさん!
無事帰ってきました。結構ハード故私も実は2回も行くとは思いませんでした!稜線からは大日岳や釈迦ヶ岳の鋭鋒が見え前鬼川の源流の山々の襞も素晴らしかったです。ここから一泊して大峰主稜への五百羅漢鑑賞の道も季節によって良いでしょうね。でも楊枝ヶ宿の小屋へはまだ結構遠いかな。

>登山が主なら登山靴でしょうか?沢靴は必要でしょうか。
殆どを登山靴で対応できます。
雄滝=腐葉土の急斜面の降りがありますが
     登山靴可、反対岸にも登山靴で渡れます。
雌滝=湧水の湿ったルンゼを急降下するので登山靴は
    やや危険です。管理人は途中で露岩に
    適した沢靴(アクアステルス)にしました。
    下に行くほど露岩の涸滝やガレ場が
    現れます。露岩の涸滝は右岸を巻き
    ますが、落差もありますので要注意です。

雌滝→雄滝ルート:右岸ルンゼを登るそうですが、今回は通行しませんでした。

>カテドラル
ここは水量も多くて気持ち良い沢ですね。
淵を渡りますので夏向きで今時はちょうどよさそうです。私が行った時はまだ水がひゃっこ~!って感じでした(笑)
そしていつか上流へも行きたいのですが、その時は沢屋さんたちに合流ですね。迷い滝さんにも宜しくお伝えくださいね。

お疲れさま~◎

ふぇるめーるさんよくぞ!到達されました。お疲れさまでした。デジマンさんとお二人で行かれたのですね~!12時間。聞くだけでも目眩がします。お墓のところから遠くに見えていた岩屋谷の滝相棒のカクレ滝(迷い滝)が行きたくてしかたないようですが夜走って2時間くらいの仮眠で行くのは身体がついていけないので止めています(私が死んじゃうよ・笑)行くなら日の長い夏で出来れば連休とってですね。登山が主なら登山靴でしょうか?沢靴は必要でしょうか。もし行くならルメットだけは持って行こうと思っています。
とりあえず岩屋谷はランクが高いので2時間くらいの仮眠でも大丈夫そうなふぇるめーるさんに教えて頂いたカテドラルは晴れたら行く予定です◎

RE:でかすぎ!

ソウルさん、いつもありがとうございます!
暑い夏になりそうですが、ばてばてモードで現場に入りました。
このスケールは、一眼レフでももったいない感じです。こんな大滝があるにもかかわらず道標類は一切ありませんでした。大峰ってほんと不思議なところですね。

でかすぎ!

まいどです!
スケールのでっかい滝ですね、見事というほかありません。
1400m分の登りはきつそうですが、いいご褒美ですね。

RE:拝見しました

Miyamaさん!
写真を見ていただきありがとうございます!
こういう滝こそ、是非Miyamaさんに描いて欲しいところですね。確かにここは本当に距離が長いのでしょっちゅう行ける場所ではありませんが、四季折々の風景が良さそうですね。次回行けるとしたら秋の青空がバックの風景も良いのではと思いました。

拝見しました

ふぇるめーるさん、デジマンさんの所ではお目にかかっています、素晴らしい記録ですね、もう少し近いところであれば絵を描きに行くのですが、体力的に無理なので拝見して楽しませて頂きました。

RE:岩屋谷雄滝

こちらこそありがとうございました!
これだけの滝はまず見たことがありません。
何処を切り取っても絵になりそうで楽しいです。
私も会社のPCの壁紙に早速しました。そのうち引き伸ばしもやりたいです。

RE:雄大な滝!

なんと!月光ですか。
滝の前はテン場になっておりますのでいつか前日夕方着で行ければ素晴らしいですね。

何かしら私もこの谷に魅かれるものがあります。時間がかかるなどと言いながらまた行って見たくなるのでしょうね。

岩屋谷雄滝

ふぇるめーるさん 昨日は有難う御座いました。
念願の滝を撮影出来て大満足で、昨夜は興奮して寝付きが悪かった様です。(笑)
でも何処から撮影しても素晴らしい滝ですが、写真を拝見して広角の威力は凄いですね。
今日は、写真の整理と掲示板の返信だけで終わってしまいました。
では、また宜しくです。

雄大な滝!

素晴らしい滝ですね!
岩屋谷は誘われても今まで避けてきた沢です。(笑) でも、この画像を拝見してしまうと行きたくなりますね。私の知人達は月光に輝く雄滝を撮影するために何度も通っているようです。今度、着いて行ってみようかなぁ~
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